ハセガワから発売された、ダーティペア with ラブリーエンゼル。
この令和のご時世にまさかのダーティペアという、商品化したハセガワの正気を疑いたくなるキットである。
今回はそこからダーティペアの2人を作成してゆく(ラブリーエンゼルの着工は未定)。
ミンメイよろしくレジン製かと思ったら、フツーのプラモデルでランナーは1枚。
この手のモデルのディテールに良いも悪いもないので感想は割愛。
ミョーにはっきりとしたパーティングラインが主に体の側面に存在し、処理がやや大変。
パーツの合いは恐ろしく悪く、そのまま組むとスキマだらけになるのは必定。正直、出来のイマイチなレジンのキットと変わらないレベルの低精度で脱帽である。
まあ、値段が値段なだけにそのあたりは大目に見るしかない。実売2000円ちょっとだし。
とはいえ面倒な作業には違いないので、ユリの髪の分割部分だけ真面目に埋めて、他はやっつけで済ませた。
プライマを吹いたところ。
スケールは1/20で全高約8.5cm。
ケイの髪(上半分)と、腰の銃(どっちも)は仮留め。
劇中の人物にはちっとも似ていないけど、あえてこういうテイストにアレンジしたものと勝手に解釈しているので特に問題はない。
どこぞのナウシカみたいな造形よりは、はるかにマシである(パーツの精度は負けてるけど)。
カラースキームは髪だけ設定ぽく塗って、他は好きなようにする。
で、完成。
あーもー、パネルラインを入れるのがクソ面倒くせー。でも入れちゃうっていう(スキマをごまかすのにも使えるから)。
にしても、顔がのっぺりとしている。凹凸が乏しいというか。
おかげで陰影を出しづらい。キャラクタモデルの宿命である。
キットには例によって瞳用のデカールが付属。
が、目の輪郭がないのは好きじゃないので自前で描いた。
サイズも大きいし、米粒以下の面積に黒目を入れる作業よりはずっと気楽である。
ライトのせいで肌は白飛び気味。実物はもう少し赤みと生気がある。
生っ白い肌色とは一線を画してゆくスタイル。
服の色は、水色と見せかけたターコイズとオレンジ。
もう少し淡い感じでも良かった気はするけど、コントラストを効かすにはこれくらいの濃さがあった方が扱いやすい。
なおターコイズのレシピは、kimeraのphthalo greenとgreen shadeのミックスを元に、同cobalt bluegreenと白でハイライト。
オレンジは、vallejoのheavy orangeとgory redのミックスに、citadelのyriel yellowでハイライト。
ケイのベルトやブレスレットのピンクがやや安直な印象。色の組み合わせを考えるのは、いつだって悩ましい。
同梱のラブリーエンゼルとは異なり、ダーティペアの2人にはスタンドやベースが用意されていない。
ので、一緒に載せられるサイズのものを在庫から選択。ミニチュアを作っていると、この手のベースの確保には困らないのであった。
貼ってあるデカールはwwwa(スリー ダブリュ エーと読む)のロゴ。
ダーティペアのあのロゴこそデカールにすべきなのに、なぜwwwaなのか。ここはハセガワを問い詰めたいところである。
処理的には光沢クリアを吹いて少しだけ磨いてある。意味もなくテカテカでナイス。
以上、ダーティペアの2人は作りやすくもなければ、良い出来とも言い兼ねる、値段相応なプラモデル。多くを求める人には向かないけど、刺さる人には刺さるだろうからそれで十分な価値があるとも言えよう。
その意味で言えば、ハセガワの目論見は見事に成功しているのであり、おっさんがホイホイと引き寄せられる絶妙な商品化であったのだと心から感服するのである(つまり、もっとやれ)。