GlazeでNMM

暑くてやる気がでない。

実際のところは気候に関係なくやる気がなくなるので、そんなものはただの言い訳である。
まったくもってこのやる気とかいうものは、些細なことでどこかへ消えてしまうし、かと思えば不意に現れたりもする、極めて曖昧で掴みどころのないものである。

そんなものに左右される自分とは一体何なのか? 
それは、やる気を口実にして手を動かさない、ただのモノグサである。

無意味な自己分析をしたところでやる気がないことには違いないので、今回は以前から心残りに思っていた、ナウシカのカブト(戦闘用額当て)をnmmで塗り直してゆく。
エアブラシでうっすらと吹いただけのやっつけ塗装ということもあって、最高にイマイチである。
コントラストのかけらもなく、見れば見るほどにビミョー。こんなものはさっさと目の前から消してゆきたい!!

早速、下地の黒で塗りつぶした。
nmmのレシピは数多あるけど、今回はvallejoのdark grey、cold grey、あとは任意の白と黒の4色を使う。最終的にはパネルライン用に同night blueも使ったけど、これは別に黒でも良い。

まずは、dark greyとcold greyのミックスで塗る。割合は半々くらい。ベタ塗り上等。
ベースの色の次はハイライト。

ここからはglazeを用いてゆく。
glazeとは水多めで希釈した塗料で塗る方法。割合は時と場合によるので何とも言えないけど、一般的には塗料の2倍程度の水を使う模様(実際にはもっと薄い気がする)。

ハイライトの置き場所はnmmにとってかなり重要なので、あらかじめ決めておく(海外勢はこれをスケッチと呼んでいる)。
特にこのカブトにはミョーな装飾があったりして形状が複雑で分かりづらいため、下地の黒の時点で光の落ち方を観察し、それを参考にする。
ちなみに、ハイライトの場所を間違えるとゲームオーバー(最初からやり直し)である。

色はdark grey : cold grey = 1 : 2くらいの割合。
あまり違いは分からないけど、そんな感じで塗ったところ。
最初のハイライトは大きめに。
明度を上げながら徐々に塗る面積を小さくしていくので、ある程度の大きさから始めないとトランジションがうまく構築できない。

次のハイライトはcold grey単色、その次はcold greyと白を3:1くらい、そうやって白に近づけてゆく。
同時に暗い側にも色を入れる。そっちはdark grey、dark greyと黒のミックス、最終的には黒のみといった感じ。

色の境目が気になったら、その中間色で馴染ませれば良い。
なお、一旦塗ったら乾くまで次の色を重ねないこと。
さもないと乾いていない塗料が流れ出し、一方の乾いていた場所は染みのように残って修復が困難、あるいは不可となり前の手順から塗り直しになる。
水分の多いglazeならではの注意点と言えよう。

そうやって少しずつハイライトを明るくしていき……
さらに周囲と馴染ませながらコントラストも強調……
で、パネルラインを入れたら完成。

遠目で金属っぽく見えることが目的なので、至近距離での粗はあまり気にしなくて良い。それが個人的にたどり着いた結論(現時点での限界とも言う)である。

そしてナウシカにかぶせたところ。以前に比べればだいぶマシになった。
でも結局は付けないっていうオチ。

以上がglazeを使ったnmmの塗り方である。

他にもハイライトの境目だけをglazeでぼやかしたり、ウェットブレンドやテクスチャを使ったりと、nmmには色々な手法があるので興味があればyoutubeへどうぞ。

特にrichard grayさんは、テクスチャの使い方がスゴいので一度は見ておくと良いかもしれない。
とにかくハイライトの入れ方がバツグンに上手く、コレとかアレは本物に見えるレベル。神のテクスチャ使いとは、この人のことであろう。

あー、そんな神の筆技を見てたら少しだけやる気が出てきた。
さっさと手を動かして、在庫の1つでも消化しよう。
出来上がったものが、たとえ神の領域に程遠くても、それはそれで楽しいものなのである。

Aud, Protector of Gods ~Signum Games

今回もsignum gamesからaud
羽もあるし神々の守護者という二つ名だし、こいつは天使だなと思っていたら、単にそういう飾りを背負っているだけだった。そんな紛らわしいミニチュア。

素材はレジンで以下パーツ。
頭、武器、盾がそれぞれ3つ入りで好きなものを選択して組み立てる方式。
ディテールは良好。パーツの合いはフツー。
盾が接地する関係上、左腕の位置調整は必須。

組み立ててプライマを吹いたところ。
ポーズを含めてなかなかカッコイイ。
背中の羽根は仮留め。盾同様、塗ってから接着する。

カラースキームはターコイズをメイン。なぜかそんな感じがしたので。唐突に脈絡もなく。
で、塗ったら完成。
盾のせいで左足がほぼ隠れてしまった。ベルトのでかいバックルも。せっかく塗ったのに。
まあ、たいした問題ではないけど。

塗装の方針としてはボリュームを重視。おかげでメリハリが付いてイイ感じになった。
他、今回はエッジハイライトを武器の刃物部分だけに限定。
何か物足りない感じを覚えつつも、これはこれでアリかもしれない。時間の節約にもなるし。

ベースはいつものgreen stuff worldのレンガを床石っぽく塗っただけ。
接着するのは手間ながら、雰囲気が出せるのはよろしい。

以上、audは全体的に細かい装飾が多く、サイズのせいもあってわりと塗装が面倒くさいミニチュア。
が、パネルラインも含めてしっかり塗ってやると素性の良さが輝き出す一品とも言えよう。

さて、これで『勝手にsignum games特集』は終了。
この前買ったミニチュアがまだ1つ残ってるけど、遅れていたkickstarterのリワードも発送されたようだし、そっちが先になりそうな気配。
いずれにしても来月のことなので、それまでは別の物を作って塗ってゆくのである。

Aries Flamewrath ~Signum Games

aries flamewrath、それは戦火のウクライナにあるsignum gamesのミニチュア。

そのsignum games、5月にオンラインストアが再開し、新製品もリリースされ始めて一安心ということで、早速売り上げに貢献すべく何体かを購入……と思ったら、『今のところおまえの地域には発送できないけど、できるようになったらすぐ送るよ』的なメッセージが。

状況を考えれば当然なわけで、それでも何かの足しになるかもと半分は寄付のつもりで決済を完了。気長に待つつもりでいたら、3日後には出荷のメールが来て吹き出した。

でもまあ順調なのはここまでで、そこからは普段の倍くらいの時間(1ヶ月)がかかった。
なんにしても物流が混乱する彼の地から、ちゃんと届いたことには感動である。

そんな経緯を持つariesさんの素材はレジンで以下パーツ。
ディテールは良好。一部をのぞいてパーツの合いはフツー。
その一部というのは乗ってる人の足パーツ。
馬の方にはそれをはめるクボミがしっかりとあるのに、足の方はそんなの関係ねぇと言わんばかりの形状で、はまりすらしない。スキマも出来まくり。パーツの入れ間違いじゃないのと思えるくらい。
頼むよ、signum games……とボヤきながらパテで埋めつつ組み立て。

で、プライマを吹いた。
ミニチュア全体を馬の足2本で支える構造がやや頼りない。
このあたりは同ブランドのulrichを彷彿とさせる。
なお、乗ってる人の上半身は仮留め。塗った後で接着する。

最初はピンクの騎士にしようと思ってたけど、結果的には陰影の付けづらい白をメインとすることになった。白とは向き合ってゆかねばならないのである(謎の使命感)。

で、塗ったら完成。
前傾気味の姿勢がちょっと極端。体を曲げてるところが不自然というか。
でもポーズ自体は動きがあって悪くない。nice work, signum games!

写真では分かりづらいものの、それなりに白の表情は出せた気がする。
レシピはvallejoのpale blueとlight greyのミックスを元に、citadelのulthuan greyとvallejoのdead whiteでハイライト。
が、これだけでは物足りないので、唯一持ってるcitadelのcontrast、basilicanum greyで影の部分を強調。こういう時くらいにしかcontrast paintは使わないので、他は全部処分したのであった。

ゴールドのnmm部分はやや薄味。
いつものyellow inkではなく、gold yellowを使ったからかもしれない。
決まった色ばかりでは新しい発見などないわけで、今後もちょっとずつ何かを変えながら最適なレシピを探求してゆくのである。

最後にulrichさんと並んだところ。
この2体はパーツ構成も似てるし、なにかと共通点が多い印象。
ちなみにもう1体、馬騎士ミニチュアを買ったのでここにさらに加わる予定である。

以上、足パーツだけは残念なaries flamewrath。
他は総じて良い出来なので、馬騎士好きならば是非買ってコレクションすべきミニチュアと言えよう。それはお布施であると同時に、ウクライナ支援にもなるという有意な行為なのである(円安が痛いけど)。

Z3R0 ~Bigchild

bigchild のアンドロイドシリーズ(勝手に呼称)からz3r0。現在、当のbigchildはサイトリニューアル中ということで商品ページにはアクセス不可。今年1月からずっとこんな感じなので、このままフェードアウトしてしまうのではないかと危惧している。ミニチュア販売だけではあまり...