今回は唐突にフリーハンドを推してゆく。だがしかし、個人的にはフリーハンドなんて面倒極まりないとも思っている。何をどこに何色で描くのか。考えなくてはならないことがたくさんあるし、作業自体にも時間がかかる。せっかくキレイに塗れたところに筆を入れた結果、大惨事になってしまう可能性もないわけではない。それでもフリーハンドを推すのは、労力をかけただけの見返りが(きっと)得られるからである。
でも上手に描けないし……と消極的な声が聞こえた気がするので、逆にこう問うことにする。
『なぜ上手である必要があるのか』
重要なのは、自分で決めたものを自分の手で描くことにある。そのことと、上手いか下手かは関係がない。ここの形がイマイチ、ここが歪んでいる、ここが非対称……そんなのフリーハンドだから当たり前である。むしろその不完全さを許容し、次への糧にするくらいの心構えでいれば、上手い下手にとらわれることなくフリーハンドに臨めるはずである。第一、正確無比なものが欲しければデカールでも貼っておけばそれで済む話なのだ。
どうでも良い前置きはそれくらいにして、今回は今塗っているミニチュアの盾にユニコーンオーバーロードに出てくるコルニア国の紋章のユニコーンを描く。
なぜユニコーンオーバーロードなのか。それは単にヴァニラウェアが好きだからである。ゲームの感想は、まぁ、いろいろと惜しい、と一言だけ。
まずは位置を決める。フリーハンドで一番難しいのは、各部位の配置を含めたバランスと言っても過言ではない。ので、中心をマークして大まかに輪郭を描く。
次に少しずつ細部を書き足してゆく。はみ出したり、間違えたりしても気にする必要はない。背景の色(青)を使うことでいくらでも修正できる。
そして全体を塗りつぶす。
あとは修正やら微調整をして完成。
位置決めが甘かったせいか、下が少し空き気味(上にオフセットしている)。さらにはシッポや右の後ろ脚の形状が気に入らない。でもこれもまたフリーハンドの味というもの。笑って許せば良いだけである。なおここから陰影を付けたい場合は、極限まで薄めたグレーあたりでglazeするか、citadelのbasilicanum greyでも適用すれば良い。
盾を本体に取り付けたところ。無地の盾よりもずっと良い感じである。
本体の方は来週中に完成させたいところだけど、例によってやる気が低下しているのでどうなるかは未定。こんな駄文を書いていないで手を動かせ、というのは至極もっともな指摘と言えよう。
以上、まずは模様でも数字でも良いので、小さなところからフリーハンドを始めるきっかけになれば幸いである。そしてゆくゆくは作例という呪縛から逃れ、カラースキームを一から考えずにはいられなくなることを目指してもらいたい。さぁ、険しくも楽しい茨の道を行こうではないか。