Heim ~Cyber Addiction

「俺、全部の在庫を消化したら3dプリンタを買うんだ……」

そんな回収の見込みのないフラグを立てている今日この頃、kickstarterにて良さげなキャンペーンを見つけた。そのcyber addiction、リワードに実物のミニチュアはなく、3dデータであるstlが提供されるらしい。

stlだけもらってもなぁ……。でもinfinityぽいキャラクタデザインは好みで捨てがたい……。じゃあ、どうしよう。しばらく迷った後で、半分はお布施のつもりでプレッジすることにした。そうして実際にstlを入手して眺めていると、案の定、印刷した立体物が欲しくなるわけである。で、噂に聞いたdmmの出力サービスを使ってみようという話になるのは、ごくごく自然な流れと言えよう。

早速データ(75mmのモデル)をアップロードして見積もりを取ってみると、レジンだと¥2,000くらいで出力できる模様。思ったよりも安かったので、喜び勇んで注文を完了してみたら、微細なモールドや細い部分が造形できないと容赦なくキャンセルされた。

改めてこの素材一覧に目を通してみたら、レジン以上のディテールで出力できるのはナイロンとアクリルくらいしかないことが判明。でもアクリルだとこのサイズで¥10,000近くする。予算の都合上、そこまでは出せない(悲哀)。やむなく、その半額程度で出力できるナイロンを選択した。

1週間ほどで届いたのものがこちら。
ディテールはまずまず。頭部のモールドがやや不鮮明な気はするけど、他は悪くない。ただし、表面が予想以上にザラザラしている。猫の舌とかサメ肌とか、それに類する手触り感。素材が硬い上に形状も複雑なので、ヤスリをかけるのは早々に諦めた。

ところで、ナイロンって塗装できるの?  と思って調べてみたら、溶剤系の塗料は食いつかず、すぐに剥がれるらしいとの情報が。でも使うのは水性アクリルだしどうにかなるだろうと、いつものvallejoのプライマを吹いてみた。
ナイロンは防水じゃないので不安だったけど、特に問題はなし。
多少、表面から水分を吸っているような形跡はあったものの、乾いてしまえば元通り(に見える)。ついでに、こすってもプライマが剥がれたりすることはなかった。

あとは塗るだけということで、カラースキームは黄色メインに決定。隠蔽力がないことで有名な黄色がナイロン上でどうなるのか。これは壮大な実験である(そうでもない)。
結果はフツーに塗れた。レシピはvallejoのscrofulous brownとorange brownのミックスを元に、citadelのyriel yellowでハイライト。

一方で、ナイロンは水性の塗装に向いていないという印象も。水分が多いと塗った部分がグズつくというか荒れるというか、塗っているというよりは色が染み込んでいるとでもいうか。隠しようのない表面のザラザラも気になるし、この手の用途に向いた素材とはとても言えないのが正直な感想である。

ミニチュアに関しては、顔(特に口の周辺)を含めた頭部のモールドが浅くて曖昧。造形方向ゆえか、プリンタの限界か、あるいはナイロンのせいなのか。他にも左手の銃や、バックパックのディテールが甘い感じ。

ベースはinfinityのscenery base。使い道がなく困ってたやつ。でもこれ1枚だと厚みが足らず、真鍮線で本体を固定する際の強度に不安が残る。ので、55mmベースに載せ2枚重ねにして対応。スキマはパテで埋めた。今回の工作はこれくらい。
なお、heimのプロジェクトにはベース用のstlも含まれている。なのに自前で用意しているのは予算の(以下略。

以上、cyber addictionのheimはサイバーでサイエンスなフィクション的雰囲気の漂うグレートなミニチュア。ナイロンでの出力はオススメしないけど、それ以外の素材であれば良好な造形を楽しめそうである。

最後に、アクリルで印刷した同キャンペーンのteska(32mm)との比較。
このサイズで¥3,500もするという事実を噛み締めながら、フラグと真摯に向き合ってゆきたい。

Naira ~Aradia miniatures

先月まで、 aradia miniatures のサブスクリプションに登録していた。何のサービスかというと、3dデータ(stl)が入手できる こちら 。3dプリンタも持っていないのになぜ登録したかといえば、欲しいミニチュアがあったのと(公式ストアでは品切れになってるやつ)、4ヶ月...